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たしかに何故長嶋氏が?松井と一緒に?と思う。
世の中にはどうも不可思議なできごとが、しかも唐突に起こる。おそらく表彰されなかった確固たる理由などありはしなかったんだと思う。国民栄誉賞の歴史を見てみるとやはり「時の人」が表彰されており、その点で長嶋氏は引退以来「時の人」にはならなかったのである。
偉業というものはいつかは忘れられていくものだが、長嶋氏は人の記憶から忘れられないがゆえにいつまでたっても旬な「時の人」ではないのである。
私も幼少の時代にジャイアンツ長嶋をテレビでみていたが、私には王の方が偉大な選手だと思っていた。
野球観戦にさほどの興味がなかったせいか「打って欲しときに必ず打ってくれる長嶋」とか「華麗な三塁プレー」などど聞いてもその記憶がないのである。
私にとっての長嶋は返り咲いてからの監督時代である。とんちんかんな語録が有名なあの時代の長嶋さんである。あの長嶋さんが大好き。
さて、松井。松井と聞いたら私にはもうジャイアンツではないのである。メジャーリーグでもないのである。そう甲子園の松井なのだ。そして、そして何といっても、あの五打席連続敬遠の明徳義塾戦の松井なのである。
ユーチューブにあの時の映像が残っている。実況アナウンサーの、あの「勝負しませーん!」という絶叫。
投げるたびに繰り返す「しませんーん!」の実況。
解説者の「ああ、勝負して欲しいですね。」というつぶやきのような声。
帰れコールの嵐!そしてついにレフトスタンドからグラウンドに投げ入れられたたくさんのメガホン。試合が中断する。注意のアナウンスが流れる。
そして甲子園の大観衆と全国のテレビはあの場面を迎えるのである。なんと、星稜の監督が指示し選手たちにへメガホンを拾いに行かせたのである。一斉にベントから飛び出す星稜の選手たち。拾ったメガホンをレフトとスタンドにひとつひとつ投げ返す選手たち・・・・。「ああ、涙が出ますね・・・。」と解説者。
実況アナも解説者もしばらく沈黙したブラウン管。二人とも声を忍ばせて泣いていたのではないだろうか?
それは高校野球が今自分の目の前で汚されていることに対する憤りであり、そして勝負事への気高い寛容だったのではないだろうか。そして星稜は敗者となるのである。松井が明徳を勝たせてあげたのだ。
松井がいなかったら敬遠はなかっただろう。偉大な松井がいたからこそ敬遠が行われた。だからこそ明徳が勝利したのである。
勝利インタビューで投手が言った言葉が忘れられない。「監督の指示です」。素直な目、やったことに何の疑いもない素直な表情・・・・。彼には決して罪はない。手段を選ばず勝ちに行った監督のせい?
もしそうならば私はいいたい。甲子園という悪魔がそうさせたと。このブログを書きながら今も涙がでてしまうあの出来事とはいったい何だったんだろうか。偉大であったからこそ敗退した気高い松井とあの夏に乾杯!
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2013-04-15 11:20
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